校正に関して

校正とは

安定的に既知の値を示す機器(基準器)を用いて測定を行い、測定具が示す読み値が、期待する値からどれくらいズレているか把握する行為そのものを指します。

この校正結果(ズレ)を加味することで、測定は適切に行なわれることになります。
校正の結果は測定機の固有のデータとして保管され、必要に応じて測定などの際に参照していただきます。

トレーサビリティとは

トレーサビリティとは、「不確かさがすべて表記された切れ目のない比較の連鎖によって、決められた基準に結びつけられ得る測定結果又は標準の値の性質。

基準は通常、国家標準または、国際標準」と定義されている。(JISZ8103:2000計測用語より引用)

ノギスの校正の場合のトレーサビリティ

使用基準器:キャリパチェッカー
キャリパーチェッカーは、メーカーにて定期的に校正を実施しており、メーカーはその校正に必要な基準器を、国家標準である産業技術総合研究所で校正しており、JISに定められた内容を満たしております。

このような切れ目のない比較の連鎖の体系を記したものを【トレーサビリティ体系図】と呼びます。

校正の判定基準

【お客様】にご決定いただきます。

ご要望がない場合は【トレサ】で定めた判定基準を採用します。

トレサの判定基準

各測定具メーカーの定める公称値を採用しています。但しJISにより定められた規格のあるものは、JIS規格を採用します。

例)マイクロ、ノギス等スモールツールはJIS規格を採用

校正周期

校正周期は「定期的に校正を実施する」とありますが、明確な周期は定められておりません。
お客様でご決定いただきます。

適切な校正周期

例えば、3年に1回の校正周期の場合。

校正時に判定基準から外れていると、前回校正からの3年間、その測定具は保証できないものとなります。
ということは、その間に測定した製品の測定値は信用できないものとなってしまいます。

では、1年毎に校正周期を設定したら?
結果は同じですが、判定基準から外れていたとしても、リスクは1年間に軽減されます。だからといって、半年毎や毎月、外部に校正を依頼していたらコストが掛かりすぎてしまいます。【リスク】【コスト】を考慮しながら、測定具毎に妥当な校正周期を決定していただく必要があります。

提案モデルケース:1年毎の校正

  1. 毎年、国家標準のトレーサビリティのとれた、第三者機関による校正を実施
    (測定機本体、基準器)
  2. 半年など定期的に基準器を用いた自社校正
  3. 日々の日常点検(記録を残す)

モデルケースでは、第三者機関に出す校正周期間の結果の妥当性を証明できるような体制を整える為に1.及び3.を自社内で実施しています。

たとえ1.で判定基準から外れた結果が出たとしても、2.3.で問題ないことが証明できれば、校正周期間にその測定具で測定した結果を証明できるということです。

参考として、弊社に依頼されているお客様で最も多い校正周期は【1年】です。

自社校正

各測定具は、お客様自身で校正することが可能です。但しここでも【リスク】【コスト】を考慮する必要があります。

自社校正したほうが外部に出るお金はなくなりますが、校正にかかる時間・人・教育が必要になります。

また、自社校正するということは【基準器を所有】しなくてはなりません。この基準器にも当然校正が必要になり【管理する測定機が1つ増える】ことになります。

お客様の会社で所有する測定具の数量や、人員、自社校正する場合の社内体制の整理など、総合的に判断し、外部校正か自社校正かの妥当性を見極めることが必要です。